海外で子供を教えると言う事

US道場指導3ケ月で思う事

11/7でアメリカに来てちょうど3ヶ月が経ちました。
生活のセットアップや御報告した免許取得など私生活もめまぐるしかったですが、週4回の道場指導(うち3回キッズ)を通してたくさん感じるものがあり、まだまだ定住初心者ですが、逆に「やっぱり訪問で来るのと住んでやるのは全く違う」とのFreshな思いを、今日は皆さんにお伝えしようと思います。

まず1つ目は、「お客さん扱いされる訪問指導と毎日の柔道指導は、子供たちの意識が全く違う」と言う点。昨年はビザがなく3ヶ月単位で行き来していましたが、その時の私は、子供達から見て「Megumi,Megumi~!!」といつも追いかけられる言わば少し憧れの的でした。それが常駐すると知った途端、もちろん子供達も保護者の皆さんも大喜びしてくれましたが、私の存在が非日常から日常に変わり、子供も地を出すようになり、言う事を聞かなくなり(逆に言うと若い分なめられる事も・・・)、2ケ月目からは毎回オニババのように声を張り上げ先輩のアメリカ人の先生から「Megumi Daijoubu??」と同情される始末・・・。毎回反省・改善・実行の繰り返しですが、児童指導の難しさを痛感する日々です。

2つ目が「文化が違う世界でどこまで柔道の規律を教えるべきか」と言う点。毎回柔道以前に基本的な礼儀(挨拶)・人の話を聞く(またその態度)などは特に厳しく指導していますが、例えば正座ひとつにしてもアメリカの文化にはなく、自由や多様性を尊重するアメリカ文化に規律など教える事はポジティブなのか等考えてしまいます。実際に柔道を習い始め初めて道場に来る子にとって道場は公園と同じなので、急に走り出したり、叫んだり、他の子にじゃれついたりと、規律もルールもありません。でもそんな子に対し、道場は学ぶところだとか、ここに並んで先生に言われた時に動くとか1回では分からないのを繰り返し根気強く教えるのは結構な労力ですが、「あっ、この子分かってきたな!!」とか出来なかった動き(前方回転受け身など)が出来た時は感動もします。面白いのは「子供は自身の成長に気がついた時意識が変わる」と言う点。大人はそんな事気づきませんが、例えば幼児クラスで新しい子が入って来たり、キッズクラスで今までより一つ上のレベルのグループに入った時など、子供自身の意識が高くなると感じると同時に、最近は「この子達の成長に日々接していると、逆に私が元気をもらって成長させてもらってるのでは?」と感じる事も度々です。

そして最後が「他民族の様々な多様性を認める国で私は何を目指すのか」と言う点。実は教えている生徒の中で1人気になっている子がいます。その子はメキメキ力をつけ身体もできてきている12歳の女の子。気持ちも柔道に前向きになり毎回私と組んで何かを得ようとする姿勢は、まるで私が柔道に目覚めた時と同じ。でも彼女は家庭の宗教の関係で、異性と組む事を許されていません。KidsクラスもJuniorクラスも男女一緒ですから、気をつけて組み分けしたり私が入ったりしますが、柔道はどの国も男性の割合が高く、女子選手が強くなる過程で男子と練習するのは良くあるし、逆にそういう環境が女子を強くする要素なのも事実。ただでさえこの先、高校に入ると柔道人口が減り練習相手が少なくなる中、素質のある彼女がUS代表などもっと上のレベルを目指したいと考えたら、私は男性との練習なしにどこまで強くしてあげられるか?どうアプローチするのが正解?など日本ではあり得ないような事に頭を悩ますのも、ここ多様性の国アメリカの特徴だと感じている日々です。

柔道は強くなる事が全てではありません。ただいくら文化や価値観が異なる海外でも、初心者先生としてその国だからできる規律を含めた指導メソッドを見つけ、どんな環境の子でも「柔道をやっていて良かった」と思ってもらえるような指導者になり、世界の子供たちをネットワークでつなぐ私の挑戦はまだ始まったばかりです。さぁ、やるぞ~!!

ポテンシャルは無限大だぁ〜!!

 

*生意気な文章申し訳ありません。皆様からの様々な御助言・御指摘・御叱咤をお待ちしています。

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