カーウソン・グレイシーJr.の柔術教室に参加して
皆さんはJujitsu(柔術)と聞いて何を思い浮かべますか?格闘技、K1…?
ただそれは表面的な部分、実際のJujitsuは柔道とは違う魅力たくさんのスポーツでした!!
今日は柔術が盛んなアメリカ目線で、柔術と柔道についてお伝えします。
まず柔道は、古流の柔術(侍が素手で戦う時の武術)から打撃等を排除して、社会教育的要素も取り入れらたものです。それに対し最もポピュラーなブラジリアン柔術は、柔術と柔道の両方を身に付けた前田光世さん(嘉納治五郎師範が講道館柔道普及を目的に、世界各地に柔道家を派遣したなかの1人)がブラジルで、グレイシー一族に伝えたのが発祥です。
柔道との大きな違いは、柔道は立技と寝技の組み合わせなのに対し、柔術は寝技中心。
また、柔道の場合は技あり・一本・指導など審判の判断で決まりますが、柔術はポイント制でレスリングに似ています。(個人的にはその方が分かりやすく納得性がありそう・・)
そして何より大きいのが競技人口の違い。USの柔道人口約2万人に対し、柔術は約300万人!! 道場数(2010年時点)も柔道が約300に対し柔術は3,000!!
なんと競技人口で150倍・道場数で10倍!!USでは柔術が圧倒的にメジャーなのです。
この11/15(月)、ブラジリアン柔術創始者のカーロス・グレイシーの孫であるカーウソン・グレイシーJr.が主宰する道場がなんとシカゴにあり、縁があってダウンタウン西側の道場で練習に参加する機会を得ました。
道場はビルの地下で、ムエタイ・ボクシングと施設を共有しており、生徒は200~300人、我が提携しているUS中西部では最大のTohkon Judo Academyより大きいのに驚きました!!
道場は柔道同様落ち着いた造り
練習は大人が約20名集まり約2時間、カリキュラムは柔道と似ています。まずはランニング、その後寝技の補強などで体を作った後は、テクニック指導、スパーリング(乱取)という流れ。そんな練習を終えて私が率直に感じた事は以下の通りです。
(1) 単純に「楽しい」!!
テクニック練習で、足の向きをこうするとこんなふうに決まるんだ、などの発見がすごく単純に楽しい!!!寝技で戦ってきた私が言うのだから間違いありません!!!
(2)簡単に始められる!!
前にも書きましたが、大人の初心者が多いのです。やってみて良く分かりました。柔道に比べて入りやすい!!決して基礎を疎かにしているのではなく、素人でも技を取得する喜びがあるのです。こんな親やすさがアメリカでポピュラーになる原因の一つだと感じました。
カーウソン・グレイシーJr.による技術指導
(3) 目的は「自己実現」!!
試合で勝つ事よりも、皆自分が「こうなりたい」との思いに真っ直ぐで、私自身もスパーリングで相手と勝負するより、技ができるようになった時の方が楽しさを感じました。こんな「自己実現のツール」としての格闘技、すっごく新鮮でした!!
カーウソン・グレイシーJr.との2ショット
こう書くとまるで「柔術は柔道より良い」みたいに聞こえますが、誤解なさらないで下さい。私は「柔道」が大好きなのです。
柔術に比べ柔道は『道』と言う言葉がつく分「こうあらねばならない」の考えが強く(私自身もそうでした)、それが世界に広める足かせになっている部分だとも感じました。
多民族国家であるアメリカで普及すると言う事は世界に広めやすい、そんなブラジリアン柔術の分かりやすさとしたたかさを感じた1日でした。
結論は、柔道も柔術も根本は同じ、できない事ができるようになる自己実現や達成感が、試合で勝つより大切なんだと身を持って体感!! こんなピュアな喜びを、柔道でもアメリカの子供達に広めていきたいなぁ~!!! まだまだ柔道の可能性は無限大だぁ~!!!
汗を流した後の笑顔は柔術も柔道も同じ!!
余談:ちなみにカーウソン・グレイシーJr.の息子(Neto君)は柔道を習っており、私の可愛い生徒です。もう一つ、カーウソンの奥様は日本人です(笑)
Neto~、将来は柔術家or柔道家??