US National Team Winter Training Camp at Dallas 〜2028年ロス五輪に向けた全米ナショナルチーム強化合宿に ゲストコーチとして参加して〜

合宿・・・、恐らく日本の柔道家の皆さんでこの言葉を好きな人はいないでしょう…。もちろん現役時代の私も好きではありませんでした。

12/16(木)〜12/19(日)、全米がクリスマス&ニューイヤーホリデー前の最も華やかになるこの時期、米国各地より、やる気満々の次世代US柔道エース候補100名がテキサス州ダラスに集結!!!
今回、私自身USA JUDO(全米柔道連盟)に所属し、Youth Development Coach として初めての大仕事。また『2028年ロスに向けて初めての強化合宿』は、合宿と言ってもそこにコーチとして参加できるのは光栄ですが「英語も片言の自分に何ができるだろう?」と現役時代と全く違う緊張感が・・・。

『とにかく大声・とにかく元気・とにかくポジティブ』をモットーに、失敗を恐れず挑戦心だけ持って参加しましたが、結果は「案ずるより生むが易し、柔道で繋がっていれば言葉は要らない」。今回は、刺激に満ちた4日間の私自身の経験を、皆さんも合宿に参加した気分でご覧ください。

(1) 会場

会場はダラスフォートワース空港より北東に車で30分程のPlanoという街。道場(EASTSIDE DOJO)は町道場にしては立派な試合場を3面とれる素晴らしい施設で「アメリカは土地が広い分、ファシリティは日本よりはるかに充実している」のを実感!!


道場外観は至ってシンプル


道場は立派なジム付き(さすがUS!!!)

(2) コーチ陣

今回、私を含めた3名がゲストコーチ(いわゆる仕切り役)で呼ばれ、その他各道場オーナーなど計12名がコーチ陣・スタッフとして参加。ちなみにゲストコーチは以下3名。

  • イスラエル・エルナンデス (キューバ、バルセロナ•アトランタ五輪銅メダリスト、66kg級)
  • マーティ・マロイ (アメリカ、ロンドン•リオ五輪銅メダリスト、57kg級)
    彼女とは同階級で良きライバル(対戦成績は1勝1敗)であり最高の友人。来年6月のGKJN Cupでは一緒にKids柔道クリニックをやってくれます!!
  • 石川 慈 (日本、経歴省略・・・、57kg級。って豪華メンバーだわ・・・。)


屈強なコーチ陣(やっぱみんなでかいわ・・・!!!)

(3) 参加者

年齢層は15〜27歳の約100名が全米から参加。ナショナルチームと言っても、日本と競技人口が違うので男女一緒でかつ年齢層の幅が大きいのが日本との大きな違い。また国際大会や国内大会で実績を残している選手以外は有料(参加費:$100)なのも特徴。改めて日本の環境の良さに気付かされると共に、性別や年齢で分けず皆がフラットなのがさすがアメリカ〜〜と妙に感心・・・。


100名が並ぶと壮観!!


「礼」は万国共通!!柔道界では・・・。

(4) トレーニングセッション

12/16(木)PM集合、12/19(日)AMまで、2時間半/回の練習が計6回!!今までで1番長い練習時間と濃い内容はさすがナショナルキャンプ!! 練習内容も毎回コーチ陣で話し合い決めているので、日によって違うのが新鮮。常に選手達を見てその場に一番合った練習メニューを組み立てるのはとても有効だと感じました。


練習前の選手たち(笑顔は今だけ~!! 笑)

① ウォームアップ

準備体操(ストレッチ)はほとんどなし。ある時はランニングから、ある時は1人打ち込みから始まるなど一気に動き出します!!(柔道をしていた人なら分かる海外あるあるですね!笑) 常にReady(戦える準備ができている) なのは海外の選手の強いところだと思います。


帯を使ったウォームアップ


シャドー打ち込みです

② テクニック指導

3日間、AMは100人を3つに分け、3人のコーチが20分ずつローテーションでそれぞれ立技の日•寝技の日と決めて指導実施。つたない英語で毎日1時間・・・。(とにかく大声!!!)
でも20分3セット同じ指導を行うと、1回目より3回目のグループ指導の方が良くなっているのを実感できたのは面白く、経験って凄く大切だなぁと改めて感じました・・・。


皆メモを取る姿は真剣そのもの!!


必死です!!! とにかく必死!!!

③ 乱取り

PMは主に乱取りがメイン。(ある日は1時間以上も)
意識が高く実力のある子も多く、激しくも熱い練習・・・。私もガッツリ組ませて頂きました〜〜!!! (とにかく元気に!!!)
見ているだけじゃ分からない、感じられない部分を、組む事で直接感じ指導及びアプローチするのが1番だと痛感!! (その分身体はボロボロになりますが・・・笑)


渾身の内股!!まだまだいける!!

(5) 特別セッション

今回特別にオファーがあり、3日目の練習の合間に、地元のキッズ達に1時間半のクリニックをさせて頂きました。アメリカに来て初めて1人での柔道教室でしたが、テキサスのキッズ達はとても明るく積極的。感心すると共にこちらが元気をもらいました!!!(とにかくポジティブ!!)

沢山の子供を幸せにとの思い、実は私がパワーをもらって幸せになってるんだと、改めて感じました。

Thank you for great guys!!!

 

(6) スペシャルサプライズ

今回、私が来ていると知ってオーストリア出身、4回のオリンピックに出場しているサブリナ•フェリッツモザー選手がわざわざ合宿に来てくれました~!!!
(日本でも知らない人はいないのでは?!)

彼女もマーティ同様に現役時代は同階級で、(戦績は1勝1敗!!)良きライバルまた友人として心から尊敬できる仲間です!!!
今は現役を続けながら(!?)パイロットの免許をUSで取得中!!!すごい!!!

そんなサブリナのバイタリティに改めて刺激を受け、「自分ももっと頑張ろう」と思いを新たにした素晴らしい再会でした!!

Thank you for coming my best friend!!


同階級のレジェンド
サブリナ・マーティとの3 ショット!!


歳は秘密ですがまだまだバリバリ!!
5回目のオリンピックも夢じゃない!??

〜最後に〜

行く前はドキドキで、前夜も眠れないほどでしたが、ポジティブな学びが多く、よりモチベーションが上がる素晴らしい4日間でした。
皆さんの真面目に学ぼうとする姿勢、またポテンシャルの高さには本当に驚きで「この子達を強くしたい」と本気で思いました。

USAの柔道レベルは世界に比べまだまだですが、フィジカルなら間違いなくトップレベル、どう育成・指導・実戦経験を積む仕組みを作るか、またUS柔道連盟所属の私に何ができるか、などたくさん考えさせられる良い機会になりました。ロス五輪の2028年と言うとまだ先のように感じますが、自分が過ごしてきた現役時代を考えると7年なんてあっという間です。

オリンピックはただの通過点、でも大事なベンチマーク。大きな舞台に向け、選手だけでなく私自身もまだまだ伸び代は無限大、自分の可能性を信じ、日々挑戦し、諦めなければ必ず夢は実現できる!!!と、熱い思いを感じさせてもらった素晴らしい機会に心から感謝して筆を置きます。

ここまで読んで頂きありがとうございました。

We can do it with never give up!!! Go ahead!!


皆の夢を形に!! 100 人の若き柔道家に幸あれ!!

 

 

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