皆さんご存じの通り、アメリカの柔道はまだ日本ほどメジャーじゃありませんが、ジュニアカテゴリーにも全米トップ3の大会があります!!春のユースナショナル選手権、初夏のジュニアオリンピック選手権、11月のプレジデントカップの3つです!!!
この3/19(土)-20(日)、その第1弾のユースナショナル選手権が、ミシガン州Lansing市で開催されました。これは日本で言う全日本ジュニアですが、USでは競技人口の関係もあり5歳〜21歳まで幅広い年齢層の大会です。また今回は、2022パンアメリカン(南北 アメリカ大陸)選手権 (カデ& ジュニア) の代表選考会も兼ねており、コロナ規制解除もあって、何と600名の選手が集まりました。
会場はシカゴから車で3時間半の近接地(!?)でもあり、我がTohkon Judo Academyから13人の子供達が参戦!!
彼らのセコンド兼USA柔道連盟のYouth Developmentコーチとして、次世代のエース発掘のために参加した感想と大会の雰囲気を皆さんにお届けしま~す!!!
*カデとはフランス語で「末っ子」が語源で、柔道界では15〜17歳を意味します。
ジュニアは15歳〜21歳未満を示し、範囲はダブるので両方出場できますが、より将来有望な選手に機会を与える目的で、世界カデ柔道選手権も2年に1度開催されています。
今回の会場Lansing Center!!立派な建物です!!!
(1) 規模の大きさに驚き!!自分のレベルに応じてチャレンジできるのがCool!!!
5〜21歳の柔道家600人が戦う階級は、2日間で何と全135階級!!皆さん想像できます~!?
初日(19日)はカデ(15~17歳)、及び小学生上級・中級クラスが性別・年齢・ウェイトで分けられ56階級、2日目(20日)は小学生初級・全ての初心者・ジュニア(15〜20歳)の3つのカテゴリーで計79階級・・・。
日本ではどこに出るか厳格に決められますが、USの面白いところは例え小学生でもレベル別に自分で出場したいクラスを選べるところ。だから初心者が有段者に当たってコロッと負ける事も多々あります。但しカデとジュニアのクラスはアメリカ代表を選ぶガチレベル!!全米選手権と柔道普及を目指すオープン大会を一緒に行うのがUS流です!!
常にガチレベルでしか戦って来なかった(失礼ながらオープン大会は眼中になかった)私には新鮮な驚きで、「皆がJudoを通して1つになる」こんな空気がうらやましくなりました・・・。
そしてこちらが2日目の全階級の組み合わせ!!
いや〜〜、毎度探すのに一苦労・・・。
(2) 誰が優勝したのかわからない・・・笑
規模が大きいのは良い事も多い分、難点も・・・。6試合場あるので、開始すればどこで誰が試合をやっているのか分からない。これは日本でも良くありますが、USは表彰式でさえ、隅っこの表彰台ブースで終わった階級から勝手に行っているので、試合後みんなの前で喜びを分かち合うなんてありません(まあ135階級だから無理もない・・・)。笑
これは前回のローカル大会でも一緒で、規模が大きい分、時間も有効に活用しようとの合理性、さすがアメリカです!!!
でも表彰式はみんなの前でやってもらうと嬉しいような・・・。そんなのも気にしないのがUS流と納得する事にします!!
〜Tohkon KidsのMiaが金メダルを獲得!!〜
2日目の初心者の部で見事優勝したミア!!彼女は柔術をやっていて上手く寝技のチャンスを生かして勝利!! Great job Mia!!!
(3) 優勝者が代表!!誰にでもチャンスが!!!
表題に記載の通り、今大会はカデ&ジュニアのパンアメリカン(南北アメリカ大陸)選手権の代表選考会も兼ねており、優勝者が自動的に代表になります。日本では、選考会で優勝しても実績その他で代表に選ばれないケースがありますが、こちらでは過去は関係なく優勝者が代表というシンプルな決まり。
これも多民族国家では「透明でフェア」が最大の価値観だからだと感じます。皆にチャンスがあり、目標も定まり、モチベーションも保ちやすいのは良い点だと思いました。
今回優勝し、パンアメリカン選手権アメリカ代表に選ばれた選手達!!
この中から2028ロス五輪代表になる子も!? Let’s go guys!!!
今回のベストショット
ちゃんと決まってるでしょ?!と審判に訴えかけているような必死のGood 抑え込み!!!
強引でもいい!!勝ちたい!!
Good fightでした〜〜!!!
柔術仕込みの得意の寝技を活かして柔道人生初優勝です!!Congratulation Mia!!!
全米代表を決めるカデに挑戦したMike!!(白)貴重な一勝、Good Job!!!
こちらも同じくカデに挑戦したTrent!!試合前同じポーズで一緒に緊張してます!!笑
【番外】5ヶ月ぶりに全米柔道連盟会長Keith Bryantと再会。試合の合間に次週のクリニック(次号詳報)他、今後の活動計画を擦り合わせました!!
最後に
今大会は全米レベルの大会で、我がTohkonの子供達の中には初めて出場する子も多く厳しい結果になりましたが、子供達にとっても私にとっても貴重な経験になりました。
カデのカテゴリーに挑戦した2人は、共に4位とメダルに一歩届かず悔しい思いをしましたが、次の大会ではメダルを目指し、一緒にチャレンジしようと誓い合いました!!!
またアメリカのカデ&ジュニアのトップ選手の試合を見て、強いフィジカルとアグレッシブに戦う姿勢から多くの伸びシロを感じ、この中から2028年のロス五輪代表を育てるイメージと、私自身USA Judo連盟コーチとしての意識が高まった2日間でした!!!
やるべき事は沢山ありますが、目の前の事をおろそかにせず着実に精進して参ります。
来週はUSA Judo連盟の派遣で、飛行機で2.5hのオクラホマ州に飛び、US Topレベルの道場でクリニックをしてきます。初めての1人旅なので不安とドキドキで一杯ですが、可能性は果てしないUSA柔道と子供達!!私の可能性も無限大だと信じて頑張ります。
皆様からの、引き続きの温かな御支援・御指導を宜しくお願い申し上げます。