〜ウィスコンシンの地方大会に参戦して〜
3/5(日)、ウィスコンシン州(シカゴのあるイリノイ州の北です)ミルウォーキでWahadachi(村の名前です)トーナメントが開かれました。地方大会と言ってなめちゃいけません。選手の参加総数354名、保護者や関係者を含め約600名が集う大イベントなのです!!今日はそんなイベントにTohkonから24名が参戦、セコンドは道場主のDougと私の2名だけの状況で、精一杯子供たちと 一緒に戦った冬の1日の熱気を、皆さんと共に共有させて頂きます。
シカゴから北に1.5h、ひたすらハイウェイを走ります。当然音楽はカントリーソング!?
会場のLutheran高校体育館。とにかく巨大!! ここに畳4面を敷いて行われました!!
1.どんな時も純粋で真っ直ぐ、セコンドの役割は子供だからより重要!!
今回の私のミッションは、子供達のセコンドで全員を1つでも多く勝たせてあげる事。去年は英語も全然でどこか控えめでしたが今回はとにかく必死、
昨年より絆も深まっておりより熱くなっている自分が・・・、下手な英語で最後の1秒まで叫び続けました!!(ちょっとうるさかったかも・・、でもUSだから誰も気にしていない!?たぶん・・・)
子供達は私のアドバイスを必死にやろうとします。だから上手くいく事もあれば失敗する事もあるのです。そんな純粋な子供達の素直さを感じつつ、例えローカル大会でも、1人1人にとっての3分間は講道館杯と同じ大舞台!!冷静な状況判断と的確なアドバイスが何より大事だと実感しました。自分で満足できるセコンドができるには、まだまだ修行と経験が必要だと感じた1日でした!!
試合前のアップ!!戦いはここから始まっているんですが・・・、 Are you ready~~?!
7歳のRana。試合前私を見る不安な眼差し。こんな子を勝たせるのはドキドキ!!
2.勝つために全力!!でも終われば勝者も敗者もハグ!!これがUS流!!
今までコーチとして子供達を見ていた目線から、自分が母になった事もあり、今回初めて保護者の目線でも見る事ができました。子供達は畳から降りると真っ先に保護者の元へ掛け出します。勝って喜んで飛び込む子、負けて泣きながら飛び込む子、そんな子供を保護者は必ずハグして受け入れます!!
私の育った日本では、柔道は楽しさより厳しさと言った面が強く、試合で負けるとコーチや保護者の方に怒られている光景を目にする事がありました。
幸い私の師匠は負けて怒る事は皆無で、それはそれで辛かったのですが、結局長く現役を続けられたのはそのお陰だったと思っています。
1人で畳に上がり戦う挑戦に、勝っても負けても『Good job!!』の一言で 子供を抱きしめる光景、そしていい意味で負けた後でもケロッとしてポジティブな子供が日本より多いのがUS流の良さだとしみじみ感じます。私自身もそういう温かさを持った指導者として母として成長したいと強く感じました。
『ハグは子供の挑戦や可能性を広げモチベーションを保つ最大のアイテム!!』それがこの日、私が学んだ大きな教訓です!!
我が道場のエースMikeはロンドン&リオ五輪代表Nickに綺麗に投げられ1本負け!!ローカル大会にオリンピアンが出るUSは凄い!!笑
勝っても負けても堂々と戻っておいで~!! 「Good Job Saori!! Good Fight!!」
3.もう一つのドラマ、盲目のケーリンの挑戦!!
皆さん、前回紹介したケーリンという盲目の少女を覚えているでしょうか?実は彼女も今回参加しこれが柔道大会のデビュー戦だったのです!!彼女はアダルトのカテゴリーで、対戦相手は何と私が指導している良く知っている女性!!ちなみにUSのローカル大会では、視覚障害者と健常者は同じカテゴリーで戦います。(決して出られない事はなく組んだ状態から始めます)
結果ケーリンは2戦2敗。でも試合後彼女は『私は試合が大好き!!素晴らしい初経験に興奮しています!!』とポジティブな感想に加え、対戦相手に対しても『誠実に戦ってくれた彼女は本当に素晴らしい女性でした!!』と相手に敬意を表す言葉と自他共栄の心には、本当に感銘を受けました。
また相手の女性からは『多様だからこそ自分の誠実さが問われる試合でした』と真剣勝負し合った同士しか分からない深いコメントを聞き、こちらもまたすごく考えさせられました。相手は見えていないと躊躇する中で手を抜いたら失礼になる。私も経験した事がない視覚障害者の方との試合、そんな多様性を当たり前に実践するアメリカの奥深さを感じ、また私自身1つ成長しました。
お互いにとって忘れられない貴重な体験!!2人とも本当にGreat jobだよ〜〜!!!
ケーリン、素晴らしい挑戦だったよ!! これからもずっと一緒に強くなろう!!
4.最後に(毎回の新しい学びと気づきに感謝です!!)
今回Tohkonからは子供18名、大人6名の合計24名が参加し、金メダル14個、銀6個、銅5個と十分な結果でした!!(参加人数よりメダルが多いのは2つのカテゴリーにエントリーしている子もいるから。これもUS流です!!)
試合を通して気づく点や感じる事が毎回違い、子供達の試合ですが私自身が学び経験させてもらっています。また柔道(スポーツ)は勝ち負けだけじゃなく人が成長できるツールだと改めて感じ、その本質と1人1人のドラマを大切にしていきたいと改めて強く思いました。次回は4月、舞台はインディアナ州。
皆さん、引き続き応援頂き、乞うご期待下さい!!